どのサイトにも、グラキリスを初めとするパキポディウムを初心者は未発根から買うべきでないと伝えられている。
僕自身、失敗経験があるし、お金の損失だけではないところによる精神的なダメージが大きかった。
本記事では初心者が、コーデックス(塊根植物)を購入する際の注意点を紹介する。
決して安い買い物ではないコーデックス
海外からのベアルートというのは越境をする際、根を切られ、検疫を通すことで初めて日本国内に持ち込まれる。
現地のマダガスカルや、南アフリカなどで自生していた時は、当然ながら地に根付いていたわけだ。
それを国内で発根させなければならないのだが、これがとても大変な作業。
時期にもよるが、日本の秋〜冬にかけては難しいとされている。
未発根の現地球は発根作業費を抜いた株だけの価格となっている為、発根済のものより手頃な価格で買える。
そのため、ハウスなど育成環境が整っている園芸店は未発根のものを購入し、発根させることにより発根作業費を上乗せて価格に反映が出来る。
手頃な価格帯に釣られ、個人での購入も見受けられるが、僕個人的には発根済みの株を購入することを強くオススメする。
コーデックスは発根済を買うべき理由① 環境を整えるには場所が必要
以前記事で冬のコーデックスの管理方法を紹介した。
過去記事↓↓
マンションの狭い空間でも実践出来る簡易温室を紹介したが、発根管理となると話は別だった。
書いた以上は成功させたかったが、パキポディウムの発根管理の難易度は高い。
特に冬の発根管理は丸腰で出来るほど甘くはなかった。
相当な設備投資と場所の確保が必要となるだろう。
マダガスカルの年間の気候と日本の気候は大きく異なる。
降雨量も考えると自然発根は環境を整えた屋内でしか厳しい。
簡易のハウスも良いが、やはり冬季の夜間であればヒーターは必須だ。
また、簡易ハウスではどうしても通気性を良くしにくい。
コーデックスは発根済を買うべき理由② 発根確認がしづらい
色々調べていると、未発根から発根までにかかる期間は約1ヶ月程度。
その間、発根しているか気にもなるし、どうしても掘り起こして確認をしたくなる。
仮にその期間で上手く発根をしていたとして、いわゆるチョロ根がいいところ。
しかもチョロ根の状態というのは非常に脆い状態で、空気に触れる事は好ましくない。
せっかく発根していても、逆に弱らせてしまう原因になりかねないのだ。
それでもどうしても可愛いコーデックスの発根を確認したくなるのが心情だ。
発根しているか確認するのであれば、株の状態を鑑みて1年ほど待つのが本来はベスト。
そこで考えてほしいのだが、未発根の株を購入して、1年も掘り起こさずに待つ事は出来るのだろうか。
僕が購入したパキポディウムは、長い間店頭に置かれていて、おそらく発根済という状態のものを購入した。
当然、お気に入りの鉢へ植え替えをしたかったので掘り起こすとなんと未発根株だと判明。
つまり、どれだけプロが管理しても発根させられる確率は100%に程遠いのだ。
コーデックスは発根済を買うべき理由③ 発根剤(ホルモン剤)に頼りすぎてしまう
コーデックスに限らず、アガベなどの未発根株も発根管理を行う必要がある。
その際に頼ってしまいがちなのが発根剤だ。
少量の使用においては問題ないが、分量調整が非常に難しい。
特に有名なオキシべロンなど、かなりの希釈で使用するのだが、大半の初心者は目分量でやってしまう。
結果、根が生えても逆に成長の妨げとなってしまう要因となっているようだ。
自生地ではホルモン剤の投入など当然ないし、可能な限り自然な発根が良いはずだ。
決してホルモン剤を否定するわけではないが、適量に与える自信がないのであれば控えて発根済株を購入すべきだろう。
ちなみにだが、ベアルート株を発根させる為にホルモン剤を投入している販売店も多い。
彼らはプロなので、そういった店舗で発根済株を購入するのは間違っていない。
問題なのは素人がホルモン剤を投与し、発根させた株だ。
植物は寿命が長い。長く付き合える株を探すのであれば考慮してほしい。
コーデックスは発根済を買うべき理由④ 発根しない=植物を辞めるきっかけになりやすい
僕が初めて買ったのはパキポディウムのマカイエンセ。前述の通り、発根しているであろう株を購入したが、未発根だった。
これには少々戸惑ったが、それでも高価なものなので初めて購入した塊根植物を知識の浅いまま発根管理したのだ。
当時はルートンしか持ち合わせていなかった為、希釈したルートン水に根元を浸し、Youtubeでの発根管理を見様見真似でそのまま24時間放置。
その後植え付けを行い、1ヶ月ほど様子を見た。
葉は付いているので、順調かと思いきや塊根植物は初心者に甘くなかった・・・。
全く発根せず、根元が萎れていたのだ。
これはどうしようもないと思い、根元を切って再度同じ要領で発根させようと試みたがダメだった。
この時、高額だった買い物だったということもあるが、言い表せないとても悲しい気持ちになった。
お世話を続けることで愛着が湧いていたのに枯れてしまうのは寂しい。
そこで一旦は植物を辞めようと考えたが、好きなものは止められなかった。
過去の反省を生かし、発根はプロが行ったものを購入すると決めた。
塊根植物や多肉植物も生きている。だからこそ愛着が湧くのだが、同時に責任も生まれる。
海外では生きていた植物を持ち込んだからには枯らせたくはない。
真剣に取り組んでいる人もいるが、特に冬の整わない環境での発根は甘くないと心得よう。
まとめ 初心者は、高価でも発根株を買おう
確かに発根させることも塊根植物好きにはひとつの楽しみだ。
だけど発根しない悲しさは辛すぎる・・・。
これから塊根植物を始めようと考えている人へは、本当に心の底から発根済をまず買うことを勧める。
発根管理がしたくても、また次のグラキリスでやればいい。
まずはパキポディウムや、その他塊根植物を育てる楽しみを味わう事が大切だと思う。