アガベを育成していると、色んな品種を育てたくなる。
現在価格が高騰している事もあって、レアな品種の中株や大株は高価でなかなか手を出すのが難しい。
そこで子株を購入し、自分で大きく育てるAgave Loverが後を絶たない。
中株になるまで長い月日が必要だが、子株であれば入手しやすい価格帯で販売されている。
希少な品種は特に子株の需要が高い。ただ子株を育成していくにあたって、安定している中株や大株とは注意点が異なる。
今回は子株を育てる上で、僕がオススメする方法を紹介する。
発根していない子株も腰水管理が安定
うちではベアルート株を育成する事が殆ど。
海外から輸送されてくる株たちは、根が生きているものも稀にあるのだが、基本的には発根していない株が多い。
そこで、海外から輸入されたアガベを始めとする植物達は”発根”させなければならない。
この発根管理という作業が個体差も大きく、大変な手間となる(と言っても最初はしっかり、後は放置)
発根させる為に必要な作業は過去記事を参照してほしい。
▶︎輸入アガベ【ベアルート】水耕じゃなくても成功する発根管理のやり方
人気の水耕による発根管理より簡単だと僕は思っているので参考まで。
発根後の子株も腰水による管理が最適
難関の発根管理を完了させたら、いよいよ育成に入る。
ただし子株のうちは気をつける点が多くある為、その点も解説していこう。
また、KNOCK × ONの記事は、実際に僕がアガベの育成を行っている経験を元に書いているので、ノンフィクションだ。
子株育成でやってはいけないこと
日光やLEDの当てすぎ
やってしまいがち、むしろやりたくなってしまう事が”かっこよく育てる”という事。
基本的にはアガベは日光が好きだし、徒長を防ぐ意味でもLEDや日光を当てるのはとても重要だ。
ただし、それは中株以上のある程度大きなアガベを育成するときの話。
子株は発根していても根は細く弱い状態だ。
そんな状態でガンガン照射してもダメージを与えてしまうだけ。
植物用のLEDなど、早く使いたいのはとてもよくわかるが、まずは大きく育てる為に日陰や、弱めのライトで育成するよう心がけよう。
水を切る
アガベは水を切る事で締まっていき、ボール状のかっこいい形状に仕上がるのだが、これも同様に中株以上だけの話。
子株のうちはしっかりと水をやる事で、成長を促してあげる事がとても大切。
あまり厳しくしてしまうと成長を止めかねないので、水やりは頻繁に行うようにしよう。
トータルすると子株の育成は腰水管理が理想
前述の通り、日陰で水を切らない方法は腰水という選択がベスト。
徒長させるくらいの勢いで行えば、子株はグングン成長するし、葉の展開や根張りもどんどん良くなる。
何より簡単で手間がかからないので、腰水がめちゃくちゃ便利なのだ。
そして、腰水したレッドキャットウィーズルの子株がこちら。
いかがだろうか?
とても同じアガベだとは思えないくらいに色も良くなり、成長も促されている。
週に2回ほど水換えを行い、軽く風を当てながら待っているだけで腰水であれば成長してくれる。
こまめに水をやれる人であれば腰水する必要もないが、僕みたいに大雑把な性格であれば子株の育成は腰水一択。
締める作業は、根が張って大きくなってから行えば良いので、子株のうちはまず大きくする事を重点にやっていく事をオススメする。
腰水を止めるタイミング
ネット上でもよく議論されているのが”腰水をやめるタイミング”だ。
推奨するのは、葉が2枚~3枚ほど展開したタイミングだ。
腰水をする事で根が水に浸かった状態に慣れてしまうので、葉が展開したタイミングで腰水をストップさせる。
直後は水やりを頻繁に行い、徐々に通常の管理へ戻していく。
環境を変える際は慣れさせる事がとても重要だと思うので、この方法を推奨している。
実際、今のやり方では問題なく育っているし、より厚く大きな葉に成長している。
絶対というわけではないが、腰水管理を辞めるタイミングがわからない人は参考まで。
腰水管理のまとめ
- 水を切らずに育成するため腰水を推奨
- 腰水を止めるのは葉が2~3枚展開したあと
中株以上の根が張った状態からが、アガベ育成の本番である事を覚えておこう。
また、腰水中はヒーターマットと直射日光は厳禁だ。
水温の上昇で根が腐ってしまう事は避けよう。
以上、ざっくりだが子株育成において、腰水はメリットが多い。
発根管理から育成初期までは腰水管理でどんどんアガベを大きくしていこう。