こんにちは。ノッコンです。
まだまだ寒い日が続いていますが、アガベの調子はいかがでしょうか。
うちはというと、温室のなかでぬくぬくと過ごしています。(アガベが。)
暖冬ということもあって、地域によっては屋外で育成している方でも、問題なく冬越しが出来そうですよね。
そして、次期に暖かい季節がやってきます。
今回は、春にやっておきたい植え替えの注意点と、やり方について書いていきたいと思います。
それでは参りましょう。
アガベを植え替える理由は?
まずは、植え替えが必要な理由について解説します。
お気に入りの陶器鉢への植え替えなど、鑑賞性を高める要素は省略していますのでご了承ください。
- 鉢上げ(サイズUP)
- 根鉢防止
- 用土の見直し
基本的にはこんなところでしょうか。
順番に解説していきます。
鉢上げ
アガベは、大きくなるにつれて今植わっている鉢が、小さくなってきます。
あえて小さめの鉢に植えておくのもアリですが、僕はサイズが合わなくなったら鉢上げすることを推奨します。
鉢上げすることで成長を促進する事が出来ますし、容量も大きくなるため、水やり頻度が少なく済むといったメリットがあります。
そして、何よりある程度の大きさにならないと、アガベっぽさが出にくいように思います。
アガベっぽさというのは、鋸歯の厳つさであったり、葉の大きさだったりするわけですが、2.5号程度の大きさでは限界があると思います。
僕が育てている株でも、アガベらしさが出ている株は、3号以上の鉢が多いのです。
決して小さな鉢がダメなわけではないのですが、ある程度大きくなったら鉢上げしてあげるのも、大切な事なのです。
根鉢防止
鉢の中に根が回りきってしまい、根の行き場がなくなってしまう状態です。
陶器の鉢に植えて、根鉢になってしまった経験がある方はお分かりかと思いますが、根は非効率的にぐるぐると鉢の中を駆けずり回ります。
特に、用土の中心付近で回りきる傾向が多いように感じます。
根鉢になると、新しい根が出にくい状態となり、古い根は枯れ出してしまうので、結果的に成長を阻害したり、葉に悪い影響を与えてしまいます。葉焼けも、根鉢で水を葉に供給できない状態から起こってしまうケースが多いのです。
このような事態を防ぐために、植え替えが重要となってきます。
ただし、この場合は根の整理を行う必要があるので、鉢上げとは違い細心の注意が必要です。その理由についても後述します。
用土の見直し
とても大切なことを言います。
魅力的なアガベを仕立てるためには、用土がとても重要です。
用土も株の種類、大きさによって変えるべきだと思っています。
そして、用土を変えるタイミングは植え替え以外ありません。
大袈裟に思われるかもしれませんが「良い株にする=いかに良い根っこを育てるか」これに尽きると思います。
根っこは土中を巡っていくので、土を甘く見てはいけません。
排水性やpHの調整に、その他諸々・・・。
考えるべき事がたくさんある割に、植え替えのチャンスは年に1回程度なわけです。
もちろん、ずっと同じ用土でも良いのですが、植え替えしながら用土を検証していくのも、育成の楽しみ方なのかなと思います。
何より土いじりは楽しいです(笑)
植え替えの時にやってしまいがちな事
何回かこのブログでも書いた事があるのですが、植え替えはノリでやってはいけません。
ついやってしまいがちな事と併せて、注意すべきことを挙げます。
- 短期間の間に、何度も植え替えてしまう
- 根っこをぶちぶち千切ってしまう
- 春先の、たまたま暖かい日にやってしまう
たまたまって訳のわからん事を。って思われるかもしれませんが、これもちゃんと解説しますのでご安心を。
短期間の間に、何度も植え替えてしまう
僕がよくやってしまっていた「ハイペース植え替え」です。
はっきり言って、アガベにとってメリット0です。
例えばですが「植え替え直後に元肥を入れ忘れた」や「なんか傾いてるしやり直そう」などが該当します。
よほどの事がない限り、植え替えは年1回までです。
植え替え作業自体が、根っこにストレスを与えます。※人間でいうところの心臓移植レベルの重大行為です。
根へのストレスを最小限に抑えることが、植え替え作業の最重要課題です。
そういった点からも、短期間で何度も植え替えるのは好ましくないですね。
根っこをぶちぶち千切ってしまう
やっちゃった経験ありませんか?(笑)
特に用土にまとわりつく側根は、細く千切れやすいので、ある程度は仕方ない事ですが、これも先ほど同様に注意しなければいけません。
根に付着している土を全て取り切る必要はありません。
新しい用土にしたい!と、張り切る気持ちはとてもわかりますが、そこまで細かく考えなくても大丈夫です。
アガベは基本的にはとても丈夫な植物です。
その特徴を理解して普通にしていれば、しっかり育ってくれるのです。
春先の、たまたま暖かい日にやってしまう
はい、これは春先あるあるです。
ずーっと気温の低い日が続いた春先、今日は暖かいから植え替えよう!って思ってしまいがちですが、明日はどうでしょうか?
朝は冷え込んだりしませんか?今日ほど暖かい日が続きますか?
まだ一日の最低気温が落ち着かないのであれば、植え替えすべきではないのです。
発根管理を思い出してほしいのですが、一番大事なのは「温度」です。
植え替えも同じで、素っ裸にされたうえに、朝晩は寒い・・・。いくら土の中とはいえ、ただ根っこに土がかぶった(根張りしていない)状態で、体調を崩しやすくなるのは当たり前の話なのです。
春先より「春真っ只中」が、気温は上がっていくので、4月の後半〜6月くらいがベストでしょうか。
アガベの安全な植え替え方法
ここまで書くと察しがつくかと思いますが、根っこを極力いじらないのが植え替えを成功させる一番のポイントです。
では、実際どうすれば根っこをいじらないで、植え替えが出来るのかを見ていきましょう。
その前に、植え替えの時は必ず手袋を着用してくださいね。
鉢上げするときは、同種の鉢サイズを1号アップさせるだけ
僕が育てているアガベは基本的にはプレステラです。
子株のうちはプレステラ90(2.5号)のロングを使用していますが、鉢上げする時はプレステラ105。その次は120と、同じ形状のワンランク上のサイズに鉢上げしていきます。
抜いた株を用土ごとサイズ移行し、アップした分だけ出来た隙間に用土を入れていきます。
こうする事で、根を一切いじらずに植え替えする事が出来るというわけです。
本当は写真があればよかったのですが、植え替えは両手が塞がるので無理でした(笑)
実際この方法で鉢上げするようになってから、植え替え直後に株が萎れてしまうといった事が無くなりました。
根鉢になったときの方法
これも上記と同じです。
根鉢になって一定期間放っておくと根が枯れてしまいますが、枯れた根を全て取り除くと、せっかく残っている生きた根が千切れてしまう可能性が高いです。
根を整理するのであれば、枯れた太い根っこのみにしておきましょう。
大丈夫です。全部枯れていると思った根っこも、そのまま植え替えて日にちが経つと、またちゃんと根を張り巡らせてくれます。
なので、鉢から抜いて、枯れた根を少しだけ整理して、植え付けるようにしましょう。
完全に用土が乾いたのを確認してから行う
「湿っててもあんま関係ないやろ」って僕は思っていました。
ところがセオリーってあるもので、用土が湿った状態で植え替えると、株が調子を崩します。
たぶん根っこが切れちゃうんですね。
株は調子を崩しても元に戻りますが、時間がかかる上に養生しないといけません。
この養生というのが意外と難しく、置場が限られている僕は、棚に養生用の段を設置したほどです。
そういった経緯もあり、うちでは調光が可能な育成ライトを使用しているわけです。
育成本を読んで自分なりにアレンジをする
なんやかんやと書きましたが、自分でやり方を調べながら実践していくのが、最良の方法だと思います。
鶴仙園の靍岡秀明さん監修「趣味の園芸 12か月栽培ナビ」が、植え替えも図解入りで分かりやすくて初心者の方にもオススメです。
まとめ
今回は、植物の心臓手術と言っても過言ではない「植え替え」について書きました。
アガベが調子を崩した・・・。などの原因に、植え替え直後が多いように感じます。
植え替え自体は「やるべき事」なのですが、時期・気温・根の整理にはくれぐれも注意して、株の抜き差しを、何度も繰り返し行わないようにしてくださいね。