アガベを育てていると様々な問題にぶち当たる。
基本的にアガベは枯れにくい多肉植物だが、生物であることに変わりないので一歩間違うと死んでしまう。
特に、葉が赤くなる症状は少々肝を冷やしたので、体験談を踏まえて対処法を書こうと思う。
希少品種”チタノタ鬼爪”の成長が止まった
葉が真っ赤になり、成長点の動きがピタッと止まった。
台湾から輸入した希少なアガベだったので、ショックだった。まぁ枯れはしないだろうと強がっていたが、内心ヒヤヒヤ。
成長が止まる事と、赤みの関係はよくわからないが『葉が赤みを帯びた原因と、成長が止まる原因』は恐らく一緒だろうと思い、まずは要因を突き止めることにした。
葉が赤くなるのは日光の当てすぎ
調べたところによると、アガベの葉が赤くなっているのは”アントシアニン”が表面に出てくる事が原因とのこと。
植物は防衛本能としてアントシアニンを出すようなので、鬼爪は紫外線によるストレスを抱えている事が判明。
ちなみに下記がリストが我が家の鬼爪。同じであれば赤みは必ず取れるのでご安心を。
- 台湾ベアルート
- 発根済だが根が少ない
- 中株
- 室内管理(温度は20℃前後)
- LED管理
日光の当てすぎについては、心当たり大アリなので挙げておく。
至近距離でライトを照射
アガベは鑑賞性が高く特にチタノタは鋸歯を厳つくしたり、引き締めたりする為に日光を長く当てる必要がある。
そのため根が少ない状態でも、ついついライトを当てすぎてしまう。
未発根であれば明るい日陰に置くのが鉄則だが、発根すればガンガン照射しても良いといった認識は間違っていた。
根が生えても、少ない状態で光合成を厳しく促すと、さすがの強いアガベもストレスを感じる。
長時間のライト照射
鬼爪は1日16時間も至近距離で紫外線を浴び続けていました。
長時間直射するのは、良くないと気付けてよかったです。
もう少し遅れていたらどうなっていたことやら・・・。
本当に申し訳ないことをした。
全体的に赤黒い
まずは赤みを取る事が先決
中株とはいえ、まだまだ成長過程にある鬼爪。
これ以上弱っていく姿を見たくないので、すぐさま処置を行った。
しかし色々調べたが、なかなか対処方法が見つからないなか、手探りで行う羽目に・・・。
実際に行った方法は以下の通りなので参考になれば。
LEDライトの照射調整
有害な紫外線のストレスによる防衛本能で、アントシアニンが表面に出るのであればまずはLEDライトの照射距離を離す。
最初の2日間ほどは離すというよりは、ライトの当たらないところで管理をした。
まず紫外線から離してあげることで、一旦ストレスから解放させてあげたかった。
3日目からはLEDライトを弱めて、若干の距離を置いて照射時間も12時間まで削減。
この際、とても役に立ったのがアマテラスLEDとツクヨミLED。
反射板を外すことでライトの光量を5分の1まで削減出来るため、植物棚の大きなレイアウトを変更せずとも簡単に光量の調整が出来る。
お陰で棚内の別のアガベとの入れ替えだけで済んだ。
水やり頻度アップ
元々水やりは多めに行っていたが、根が少ないうちは水やりの頻度をあげることで、まずは根を張らせて株を強くする事が大切。
そう思い2日に1度、水やりを行った。但し、根腐れしては元も子もないので、AGAVE LOVERの皆さん愛用のサーキュレータを、上と横から2つで回し、用土はすぐに乾くように配慮した。←カビ防止のためにも、とても重要
もう少し小さな株であれば赤みを取る期間は、腰水管理にしても良いと思うが、中株以上となると徒長にも気を配らなければならないので、そこは要検討。
別管理のフィリグリーの子株も若干赤みが出て来たので、現在腰水管理中。
育成管理の見直しで、鬼爪は赤みが取れたのか?
水多め、ライト少なめの管理に変更した鬼爪がコチラ。
約2週間ほど経過したが、対策を行ってから赤みもすっかり取れ、成長点の葉がようやく動き出した。
このままもう少し葉が展開して根が張ったことを確認出来たら、通常の育成方法に切り替えを行う予定だが、やはり生物なので個体差もある程度あると思う。
個体によって、定期的な育成方法の見直しが必要であるとわかったが、”アガベの赤み”の取り方は大抵この方法一択だと思う。
活力剤を施肥すると葉色が良くなったことも併せて紹介しておく。
何より鬼爪が復活してくれて本当に良かった・・・
まとめ
赤みの主たる要因。
- 日光(LEDライト)の当てすぎ
- 水不足 ← 根腐れ、カビに注意
赤みを取る方法。
- 照射時間、距離、光量の見直し
- 水やり頻度のアップ(通気性はいつも以上に確保すること)
徒長、根腐れ 赤み、枯れなど、隣り合わせに存在するアガベのリスクだが、それも含めてかっこよく育てる楽しみであるといえる。
今回、鬼爪が無事に復活していなければ、そんな事言えなかったかもしれないが・・・。
アガベの葉が赤みを帯びてきたら、この記事を参考に処置を行ってほしい。