困りごと

【発根管理初心者向け】アガベを土耕で発根させる時の用土は?


こんばんは。ノッコンです。


先日、質問がありましたので、改めて発根管理中の用土について解説していきたいと思います。


発根管理の種類


発根管理と聞くと、構えてしまう人が多いですが、塊根植物なんかと比べるとめっちゃ簡単です。


で、色んな発根管理の方法が紹介されていますが、僕は用土で発根管理するのが一番簡単だと思っています。


まず、はじめに発根管理には、どんな方法があるのか紹介します。

土耕(どこう)


僕がやっている発根管理です。


用土を鉢に入れて、株を植えるだけ。


いたって簡単ですが、根が生えていないので安定に欠けます。


株が動かないようにマスキングテープで固定したり、株を少し深めに植えてもいいです。

水耕(すいこう)


水を容器に入れて株元を、やや水に浸した状態で発根させる方法です。


かなりの確率で発根させる事が可能ですが、その後用土に植え付ける必要があります。

水苔(みずごけ)


容器に水苔を入れ、一定の湿度を保った状態で株元を水苔に浸す方法です。


この方法も多く見られますが、水耕同様に最終的に用土に植える必要があります。

pHショック(ペーハーショック)


これ、やってる人はマニアです。笑


アクアリウムでもpHは魚の飼育に大きな影響を与えます。


酸性が好きなエビもいれば、アルカリ性を好む魚もいます。


急にpHが反対方向に傾くことを、pHショックというのですが、確かに効果は大きそうです。


pHの値は植物の生育にも影響を与えますので、発根管理にも役立つと思います。(僕はやったことないです)


土耕で発根させるのはなぜか?


冒頭でも書きましたが、僕は発根管理は基本的に土耕一択です。


理由は上にも書いたように水耕、水苔では発根した後に、用土に植え付ける必要があるからです。
(これが悪いというわけではありませんので、悪しからず。)


単純に手間がかかるのと、剥き出しになっている根を用土で傷つけてしまうリスクが、少なからずあるからです。


その点、土耕で発根させれば、そのまま育てていけば良いので、手間も省けますし、根は土の中なので傷つける心配も少ないです。


何株も増えていくと、手間がかからない方が良いので、そういった方には土耕をおすすめします。

【本題】発根管理する時の用土は何がいい?


前置きが長くなりましたが、本題に入ります。


土耕の最大のメリットは、発根後もアガベを、そのまま育成出来る事だと書きました。



正直、発根のみが目的であれば、排水性の良い土一択です。


日向土などの軽石や、ゼオライトだけでも十分発根可能です。


ただ、後で培養土に植え付ける必要があるため、水耕と殆ど変わりません。


そこで、発根後の育成も踏まえた用土の割合を考えていきます。

土耕でも、湿度は必要。用土を湿らせたり、乾燥させたりを繰り返す。


育成する用土の割合で、優先度が高い要素は?


アガベは園芸屋さんでよく見かける、黒くきめの細かいふわふわした培養土は向きません。


基本的に用土には、主に3つの要素が存在しますが、アガベを育てるには、どの要素を優先したら良いのでしょうか。


排水性

ダントツ優先すべき要素は排水性です。

南米原産のアガベは、乾燥状態を作る事が非常に重要です。

加えて植物は根がすべてです。実は乾燥は根の成長を促進します。

ブログで何度も繰り返し書いてきましたが、植物の生育には、根の状態が超重要です。全てと言ってもいいでしょう。

メインの株自体は、熱帯植物のように湿度が必要なものもあります。ですが、用土はまず乾湿を繰り返すべきであると思います。

水分は根から葉に浸透圧で送られますが、根は水分が用土内に不足すると、太く強く育ってくれます。


これは、水や養分を土の中で探し回り、少ない水分を吸い上げるためです。

逆に、常に水に浸かっていると、「水は足りているし、頑張らなくてもいいや」と根は思ってしまうわけですね。

乾燥地帯に生息するアガベは、乾湿を繰り返す事が大事です。特に用土の排水性は、他の植物より重要と言えるでしょう。


保水性


保水と聞くと、排水と相反するのでは?と思う人も、いるかもしれません。

確かに、僕も思った事がありますが、何となく違いがわかってきました。

例えば、水を与えても傘のように弾かれると、ただの垂れ流しです。

「保水性」というのは質の良いオムツのようなものです。(わかりづらくてすみません。笑)

オムツは水分を含んでいる事が、見た目で分かりますが、触れるとサラサラしていますよね。

この、じっとりしていないけど、水は含まれているというのが保水性が高い状態です。

おかげで、根がジュクジュクに浸されることもありません。

つまり、保水性と排水性は相反するものではなく、全く別の要素だと考えてもらってOKです。


保肥性


発根管理の時点では、そもそも肥料は不要です。いや、施肥してはいけません。

発根した後、そのまま育成を続けるうちに、追肥を必要とする事があります。

追肥というのは、育成の初中期から肥料を与えて、株の成長を加速させる方法です。

例えばですが、"マグァンプK"や"ハイポネックス"を与えたい時、用土に保肥性がなければ、効果を十分に発揮する事が出来ません。

今のところ発根管理だけを考えているから、保肥性はいらんなぁ〜って思うのは、僕は勿体ないと思います。

肥料がなくともアガベは育ちますので、3つの要素では優先度低めですが、保肥性の高い用土であれば、発根管理後の育成も捗ることでしょう。

根が悪い状態。株の活力が低下する。

良い状態の根。水分、養分をしっかり株に送れる。


土耕での発根管理は、成長を早める手段になると思う


ここまでは、用土での発根は即育成に移れるというメリットが大きいと書いてきました。


発根後、すぐに育成を始められるのは嬉しいですし、いったん発根させてから用土に植え付けると、アガベも忙しないですよね。


根は、一度発根させると急速に成長してくれます。


いわゆる"ゼロイチ"までに時間がかかる株もありますが、"イチジュウ"はあっという間です。


しかし、それは根の話です。根はすぐに伸びて広がってくれますが、しっかり根張りしないと株の成長は始まりません。


その点を最速にしてくれるのも、土耕による発根です。


用土の中を、根が張っていく初めの過程である発根管理を土耕で行うのは、アガベにとって自然なことなのです。


逆に僕の経験上、土耕での発根でも、鉢のサイズを変えるためにすぐ植え替えてしまうと、せっかくの土耕発根にブレーキをかけてしまいます。


ここまで書いた通り結論、土耕発根→育成はセットで考える事が、僕が考えるアガベの育成速度を上げる事になります。

用土は何をブレンドすれば良いか


長くなりましたが、「発根管理に最適な用土」=「育成に最適な用土」であると言いました。


では、育成に最適な要素を簡単に振り返ります。

  1. 排水性 ・水はけがよく乾燥しやすい
  2. 保水性 ・水をよく保ち、ジュクジュクせず、サラサラする
  3. 保肥性 ・肥料の養分を保ってくれる


以上、この3つです。
これを踏まえた培養土の内訳が下表になります。

土の種類割合役割
日向土(軽石)排水性
赤玉土保水性・保肥性
ゼオライト排水性(雑菌の吸着)
鹿沼土保水性・排水性(pH調整※酸性寄り)


我が家のアガベに使用している用土の割合と同じです。


僕は発根管理と育成に、自分で配合したこの用土を使用していますし、追肥が必要なったら、株元にパラパラとマグァンプや、オスモコートを施肥しています。



株はしっかり成長していますし、発根管理も短い期間で終わる事が多いです。(僕は根を抜いて発根確認はしていません)


もちろん、状況に応じてpHを調整するために比率を変える事もありますが、これがうちで使用するベースの培養土になります。


これにバーミキュライトや、くん炭など、株によってブレンドして自分好みの用土を作っています。用土のブレンドも奥が深くて楽しいのでおすすめですよ。

まとめ


僕が土耕での発根を推奨しているだけで、水耕・水苔での発根が悪いわけではありません。


ただし、発根管理というのはあくまで作業であって、アガベを健康的に格好良く育てる事が、本来の目的です。


だから、育成を始める事も含め、トータルで発根管理も行う事が、重要であると思います。


では、今回の記事のおさらいです。

  • 排水性
  • 保水性
  • 保肥性


・これらを重視した用土を「発根管理の段階から」使用する。

・ベースとなる培養土を、目的に沿ってブレンドする。



それでは楽しいアガベライフを!

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37歳|メーカー勤務のサラリーマン

趣味:アパレル・ビザールプランツetc...
好きなものを掛け合わせた事業を計画奮闘中。
アガベの育て方や、仕事が憂鬱な人に、副業が大きな心の支えになる事を知ってもらいたくて、ブログを書いています。

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