冬に近づくにつれ、植え替えの猶予はこの秋までと言っていいでしょう。
温室で越冬させる人も、冬は休眠させる人も、秋の晴れた日中に鉢増し作業を行いたいところ。
今更?って思う人もいるかもしれないけど、改めて、アガベの鉢増し方法を解説したいと思います。
鉢増し(植え替え)する理由
その前に、鉢増しする理由を見ていきます。
根張りが進んで、鉢の中がパンパンになっている状態では、根詰まりを起こす可能性があります。
根詰まりは株に悪い影響を与えます。
根詰まりによる株への悪影響
- 生育の妨げ
- 水を吸収しない
- 酸素が回らない
アガベをはじめとする植物は根が全てです。
根がガチガチに固まる事で、酸素が行き届かない、根が水を吸収しない。
これではせっかく排水性の高い用土で育成しているのに、本末転倒です。
健康なアガベを育てるためには、健康な根を育てる事。
その為に、定期的な鉢増し作業が必要なのです。
用意するもの
- お好きな用土(排水性重視)
- スコップ
- 現行より、1号大きめの鉢(ロングタイプ推奨)
- マグァンプK
- 受け皿
- ハサミ(ライターで消毒済のやつ)
市販の用土はベストソイルミックス or エクサゴノがいい!
アガベの肥料といえばマグァンプK
育成重視なら、兼弥のスリット鉢(ロング)
スコップはなんでもOKです
受け皿
用土については、別記事で解説していきたいと思います。
準備が整ったら、植え替え作業に移りましょう!
植え替え作業
まず受け皿か、ゴミ袋を敷き、土がこぼれても良い状況でやる事をオススメします(笑)
お庭で出来る人は受け皿不要です。
今回は、黒鯨3号を黒鯨4号に鉢増ししていきます。
使用するのは、兼弥産業のロングスリット鉢です。
鉢を回転させながらムギュムギュする
植っている方の鉢は、根張りしているので、逆さを向けてもなかなか引っこ抜けません。
そこで、株を持ちながら斜め下へ鉢の上部を向け、軽く回しながら鉢を揉みます。
鋸歯で手を怪我しないように注意して下さい。
鉢から株を取り出せたらひとまず成功。
この時、根の整理をするのですが、慎重に行うように心がけます。
白い生きた根は切らずに、丁寧に扱って下さい。古いカチカチの根は、ハサミで切っても問題ありません。
可能であれば、この状態のまま植え付けたいところですが、今回のように鉢増し以外では難しいので、ある程度整理していきましょう。
植え替え用の鉢準備(今回はスリットです)
スリットだけに、用土が流れ出やすい為、鉢底に大きめの軽石を敷きます。
それでも出来るスリットの隙間。
めちゃくちゃ用土が流れやすいので、僕はココファイバーをスリットを埋めるように投入します。
スリットの良いところは根張りの良さ、そして通気性です。
有機物が入ると、せっかくのスリット効果が得にくくなる為、自然に返りやすいものを推奨します。
植え替え開始
いよいよ植え替えです。
株を鉢に入れて、根の周りへ均等に用土を入れていきます。
下の画像のように、だいたい根の半分よりやや下まで用土を入れたら、一度止めます。
ここでマグァンプKを、ひとつまみ投入。
僕は小粒を入れていますが、中粒を入れるのが一般的なようです。(小粒は用土の上に撒くのが通常です)
ここまで来たら、後はしっかりと用土を入れていきます。
割り箸などで用土をほぐしてあげると、ムラがなくなり用土がしっかりと供給できます。
植え替え直後の水やりは意見が分かれるのですが、僕は株を固定しやすくなるので、水やりを推奨します。
ただし、秋は冷え込む日もあります。そんな時は根がダメージを受けやすいので、植え替え自体を控える。もしくは気温が高めの日中に行うと良いでしょう。
植え替え後、日光は避ける
新しい用土に根が活着していない時は、日光によるダメージリスク高めです。
植え替え直後は、日光や育成ライトから距離を置き、徐々に慣らすようにして下さい。
日光を避ける期間は経験上、7〜10日間ほどがベストかと思います。
まとめ
鉢増し作業(植え替え)は株にとって、とても体力を消耗しますし、ダメージを受けやすいです。
正しく行う事。そして、時期を見て無理をしないことがとても大切です。
植え替えはなるべく日中に行う。また夜間は室内に取り込むなど、配慮しながら行えば、秋の植え替えも株へのダメージも少なくなると思います。
※僕はマグァンプを入れ忘れる事が多いです・・・。忘れずに入れて下さいね。