アガベの発根管理は塊根植物と比較し、かなり難易度が低い。
そう言われる事が多い為、発根管理で失敗する人が多いようだ。
もちろん、以前から書いている通り”水耕”による発根管理も全くやってもらって問題ない。
ただし、あくまで僕は水耕は最終手段だと思っている。
ここでアガベをちゃんと発根させる為の方法を紹介していこう。
水耕が一番人気。
株元を水に浸けた状態で発根を促す方法が水耕だ。
ただし、水耕であってもいくつか気をつける点があることを忘れてはならない。
今回は土耕での発根注意点が主なので割愛するが、過去記事を参照してほしい。
▶︎これは絶対やったらあかんやつ。水耕によるアガベの発根で注意すべき点
土耕&腰水は最強の発根管理方法
僕自身、色んな種類のアガベを輸入し育成しているが、土耕と腰水でその殆どが発根し、その後通常育成へと切り替えている。
ただし、絶対リスクがないというのが植物の面白いところであり、探究心をくすぐられる点だ。
しかしながら失敗せずに発根させる事が出来ればそれに越したことはない。
それでは土耕、腰水の発根管理においての注意点を押さえておこう。
用土は何を選択すれば良いか
絶対ではないが、用土に養分が入っていないものを選択する。
根が伸びる理由は、『養分を求めて土の中を探る』から。
養分が入っていても発根はするが僕の経験上、下葉が枯れる環境になりやすいと思う。
つまり肥料は根が十分に張った状態で、追肥するのが好ましいだろう。
根元は暗く
根元を暗くするのは『根が光を嫌う』から。
根は明るい場所では発根しづらい。これは、水耕においても同じで透明のグラスで発根管理を行う人がいるが、しっかり根元が見えないように新聞紙などで囲ってあげるのが理想。
土耕のメリットは株元が用土に覆われている為、そもそも暗くする必要がないということ。
ただし、葉の根元が土に覆われない程度にしっかり植え付ける事が大切だ。
葉には優しめの光を
発根管理の非常に難しい点が未発根株への照射加減だ。
暗いところで発根しやすい性質だが、葉に光を当てておかないと徒長の原因となってしまう。
特に腰水であれば日光は大敵で、夏場になると鉢内の水が高温になりアガベに大きなダメージを与えてしまう。
そこで僕が使用しているのは植物育成ライトだ。
特にアマテラス・ツクヨミは光量を簡単に調整出来るし、鉢内の温度を上げずに済むので使い勝手の良いLEDライトだ。
それぞれ多少の違いはあるが、自宅のインテリアに合わせて選ぶと良いだろう。
通気性 ←最も重要
ある台湾ナーセリーから聞いた話だが、通気性が良くなければ腰水はやらないそうだ。
腰水管理に限らない話だが、アガベは本当に通気性が何より重要。
僕も育成をやり始めた頃、風より光や水が大切だと思っていたが、今では何においても通気性(風)を重要視するようになった。
育成数にもよるが、可能であれば四方から。最低でも二方から風を送れば問題ないだろう。
- カビ防止
- 発根促進
- 徒長防止
これだけの効果があるという事を、ぜひ覚えておいてほしい。
使い勝手もよく、静音でお手頃なサーキュレーターがあるので紹介しておく。
気温の高い時期には屋外で行わない
腰水は屋内での実施を強く推奨する。
というのも、真夏は水が高温水になるリスクが高い。
植物は根が命だ。ほぼ熱湯になるような直射日光の中、腰水は行ってはいけない。
冬も同じく屋外での腰水は絶対に行わないようにしよう。
土耕&腰水の発根までの目安
僕が育成しているアガベの子株たちは遅くとも1週間ほど経過すると発根している。
早いもので翌日・・・というのもあるが、土耕の場合は発根確認するために株を抜く必要があるので、頻繁に見るよりはじっくり待つ方がいいだろう。
その時、風を送り続けるのを忘れてはいけない。
腰水管理をやめるタイミング
腰水が発根や子株の育成に有効であることは何度かお伝えした。
ただいくら通気性が良くても室内温度の関係で、苔やカビが生えてしまう恐れがある。
出来ることなら葉が2〜3枚展開した時点で腰水管理から通常の管理に変えよう。
気をつける点は、腰水管理終了後は少しの間水やりをまめに行うこと。
急に水が切れてしまうと、根や葉に悪い影響がでてしまう事があるので注意。
▶︎アガベに赤みが出る原因と取り方
まとめ
アガベをいちから育ててみたい。そういった連絡をいただく事が頻繁にある。
その際、ベアルート株は発根管理を必要とする事が多い。
失敗する確率は確かに低いが、100%成功するとは限らない事を認識しておこう。
せっかく手に入れたアガベなのだから、準備をしっかり行う事で少しでも発根確率を向上させよう。